某雑誌を読んで,あやふやだった認識が明確になりました.
ということで,その辺りを.
いや,i-modeです.
最近の携帯電話ではWebが使えることが大前提みたいな感じですが,実際どこがどこまでっていうのはよく分からなかったのです.
分からなかったというか,別にどうでもいいから気にしていなかったんだけど.
それはそれとして.
最近i-modeを携帯メール端末としてよく使っているんだけど,それに付随したWebサイトを経験する機会が.
i-mode用のサイトをi-mode端末で作れるようで,ちまきみたいなキーボードベースで生きている人間にとっては,大変そうだなぁと思うばかりなんですが.
それを見ていて,ふと携帯電話とインターネットというもの考えたというわけです.
Compact-HTMLで記述.
i-modeで扱われるHTMLは,どうもHTMLのサブセットらしいです.
他にもいろいろな電話にいろいろな言語があるらしいですが,HTMLベースなのはi-modeだけみたいですねぇ.
ちなみに,その他の会社の場合はXMLベースだったりするらしいです.
技術的な観点から見れば,HTMLをベースにするよりXMLをベースにする方が正解,といえるでしょう.
しかし,技術と成功は必ずしも十分条件として結びついているわけではないのです.
XMLベースの携帯電話用サービスが技術的に優れていても,実際成功していません.
結局勉強するのが面倒だ.
これが原因でしょうね.
HTMLベースなら,普通にサイト持っている人なら簡単にかけるし,そもそもサブセットなんだから大したこともできないかわりに,簡単だというわけで.
じゃぁ,それはそれでいいじゃないか,という意見もあるんでしょうが,これは大きな間違い.
そもそもHTMLというのはUNIXが発祥の,コンピュータ同士の通信を前提とした技術.
たかだか数kBのデータしか扱えず,外部記憶もない,処理能力以前に制限が多すぎる携帯電話という枠の中で利用されるWebが,果たして一般にいうWebと同列のものなのかどうかは推してしるべき所でしょう.
ことi-modeに関しては問題が多いと思います.
まず技術的な側面からすると,既存のWebに対して有害であること.
Windowsの普及に伴って最近は微妙になりましたが,半角カナと機種依存文字の存在です.
昨今は半角カナの意味すら解さない人も多いですが,この半角カナはUNIX界では問題になることが多く,果たしてインターネットを司るサーバ群は事実上UNIXなのです.
問題になるようなモノを使うな,とか,ちゃんと対応しろ,なんて意見もあるでしょうが,前述の通り技術と成功は相関はあるにしろ直接の関係はないのです.
すなわち,成功したモノが普及し,成功していないモノは淘汰される.
そして,新しい技術は文化として成立した技術を侵してはならないと思うのです.
白黒のテレビ放送とカラーのテレビ放送,モノラル放送とステレオ放送なんかが,まんまいい例でしょう.
まぁ,それはそれとして,半角カナは対応できるからまだいいとしても,機種依存文字であるところの絵文字はどうにかならないんでしょうかねぇ.
Webでは,これらのモノは,「使わないことが常識」という暗黙のルールがあります.
知らないことが悪といっても良いでしょう.
揶揄するならば,「高速道路に,三輪車で入っていく」ようなものと言えるでしょう.
常識的な知識の習得と,他者(既存技術)との共存を無視している,ということです.
これの良し悪しは別として,既にそういう状態になってしまったという現実は,これからどうなるのか.
利用する,という側面から見るとどうなんだろうか.
これも携帯電話という制約が大きい.
あんな小さな画面に情報をおさめるという性質上,質的にはポケベルと同レベルです.
郵便的な情報伝達ではなく,電報的なモノというと分かりやすいでしょうか.
このこと自体は問題であるわけではなく,この様な本質を持つi-modeが必要以上に過大評価されているということです.
ごく小規模のメールの送受信が出来,Webという世界の本当にちっぽけな孤島のようなモノをちらちらと見ることが出来るという程度のシステムが,インターネットという社会を利用できるという評価を受けているのは,はなはだ理解に苦しむところです.
携帯電話によるメール(電子メール)は,パソコンに取って代われるモノではない.
異質なモノを,同質と感じさせてしまう「売り方」はどうなんだろうか.
明確な線ひきが必要だ.
そう思うだけで,i-mode自体が悪いとかつまらないということではないです.
実際,メールはかなりの頻度で利用しているし,i-mode専用サイトを見たりもします.
ただ,ここに住み分けが必要なことは事実で,本質を隠すような売り方が問題だ,と思っているわけです.
Webはやっぱりパソコンで楽しんだ方が面白い,と改めて認識しました.