GP風音 担当●藤原樹マスター
PC「千沙姫」
「息づく森」
PL柏葉ちまき
月が山の稜線をはっきりと写し出す.カーテンの隙間から差し込む光は,冷たく冴えている.部屋の中には,静かな吐息と秒針が刻まれる音のみ.秒針の音がなければ,時が進むことさえも知覚できないような空間があった.
月明かりにうっすらと照らされる娘.今は静かに横たわり,穏やかに呼吸をしている.しかし,その目尻には涙の乾いた跡が見える.
娘の名は千沙姫という.十八歳になる彼女は,その歳でマイスターとして第七調査団に所属している.数ヵ月前,母親を亡くしたことをきっかけに,調査団に入ったのだ.母の命を奪ったのは,忌まわしき不治の病,エンゲージである.エンゲージは,その美しい花弁とは裏腹に,千沙姫の心に大きな傷を残したのだ.
一陣の風が,森を駆け抜ける.
千沙姫が調査団に入ったのは,母の他界からわずか一週間後.それは,思い出という束縛から逃げ出すためだった.母の匂いに包まれて生きるのは,つらすぎるから.
旅立ちのきっかけは,母の願い.
千沙姫は,自分らしく生きよという母の願いをうけ,調査団に入ったのだ.自分自身を見つけるために.旅立ったのは秋だったが,草木はもう春を迎えようとしている.つらく,苦しい冬は終わろうとしていた.
しかし,彼女の冬はまだ終わっていない.
左の手首に見える薔薇の荊.
そう,千沙姫はエンゲージを発病したのだ.
彼女が一六歳の時,母がエンゲージを発病した.まだ学校に通っていた頃の話だ.彼女は優秀な成績をおさめており,将来は有能なオートマータ技師になるだろうと期待されていた.しかし,千沙姫はその道を捨て,母の看病に専念することにした.エンゲージキャリアとなったのは,夏頃だった.おそらく母の看病の過程で感染したのだろう.しかし,当時はそれほどショックを受けることはなかった.
現在生き残っている人間のうち,エンゲージに感染していないものは一割にも満たない.そう考えると,キャリアでない方が珍しいと言える.だからこそ,ショックを受けなかったのだろう.
しかし,それはまさしく死が明確に予測可能になった瞬間でもある.
死はすべての生命に等しく訪れる.
それは至極当然のことだ.しかし,その瞬間がいつ訪れるか分からないからこそ,人は生きてゆけるのだ.生きている限り,死から逃れることはできない.しかし,終りが分からないから,今を生きることができる.エンゲージは,そんな人間の在り方をも変えてしまう.
発病すると一年以内に確実に死に至る不治の病.普段ならば,千沙姫と同じような年頃ならば,とても長く感じるであろう一年だが,もしその一年の終りと自分の終りが同時に来るとしたら,それはどんなものになるのだろうか.
ある者は静かに暮らすのかも知れない.またある者は愛する者の幸せを願うのかも知れない.しかし,残された時間を死への恐怖に取り付かれて過ごす者もある.それを無意味だと哀れむかも知れないが,これもまた現実であり,変えることはできない真実である.おそらくは,当事者にしか分からないことなのだろう.
決められた時を生きるとは,何と難しいことか.
夜空を星が流れる.それに誘われるように,千沙姫は目を覚ました.
「私・・・.」
呟く声は,静寂をたたえた部屋に響く.
「確かリジィさんと話をしていて・・・.」
ふと手首に違和感を覚える.そこには,自分の命の終りを暗示する棘があった.昨日までは,何もなかったはずなのに.
「・・・痛い.」
自らを死へと導く棘を,指で触ってみた.針で刺すような痛みとともに,赤い涙がこぼれる.
「発病したのね・・・.」
キャリアになったとき,いつかは発病すると分かってはいたのだ.しかし,それは遠い未来のことだと信じて疑わなかった.まだ,ほとんど解明されることもなく,治療法さえままならない病だというのに.
「もう少し・・・,誕生日を祝えると思ったのにな・・・.母様に・・・,成人した姿を見てもらいたかったのに・・・.」
数ヵ月前まで一緒に暮していた母を思い出し,呟いた.雛のままの自分ではなく,翼を広げ独り立ちする姿を見せたかったのだ.誰のためでもなく,ただ自分のためだけに.
涙がこぼれ落ちた.
千沙姫にとって,日々を過ごすことは,自分の死への確認となってしまったのだ.最早祝うことなど何もなかった.母の願いを遂げることはできそうもない.そう思い夜空をみやる.
「私は,輝けるのかしら・・・.」
空は地上の鏡なのだ.無数に輝く星々は,様々な表情をみせる.そしてそこには様々な思いが輝いている.きっとその輝きは,思い願う主を映しているのだろう.
「私の星なんて・・・,きっとどこにあるかも分からないわね・・・.」
独りそう呟き,苦笑する.
「母様・・・,私・・・どうすればいいの?せっかく調査団に入って・・・,いろんな人たちともお話しできるようになったのに・・・.」
千沙姫は,膝に顔を埋めた.
「私・・・,まさか・・・こんなに早く・・・.」
嗚咽が漏れる.やり場のない悲しみは,声にならない.
「わた・・・し・・・,まだ何にもできていないのに・・・,どうして・・・.」
シーツに,涙がにじむ.
心の中で思い描いていた未来は,こんなことになるはずではなかった.自分を必要としている人の中で,笑っていられる自分を夢見ていたのだ.
「都合のいい話よね・・・.自分があこがれた場所に来たはずなのに・・・,ただ独りで問題を抱えているだけなんですもの・・・.」
人に弱さを見せたのは,慰めてほしかったからなのかも知れない.しかし今は死への,命を失うことへの恐怖で呼吸もできないほどだ.どんな言葉を掛けられても,遠くに感じることしかできない.
「あなたは独りじゃないわ・・・.」
夜空に輝く星々を眺めながら放心している千沙姫に,声が聞こえた気がした.それは,懐かしい母の声.まるで,暖かなベールで包まれたような気持ちになる.千沙姫は目を細め,脇の机に置いてあるオルゴールをみやった.優しかった母が最後に自分に贈ってくれたものだ.今も,寂しいときは時々このオルゴールの音色に包まれて過ごしている.
兄の満沙樹が,他の調査団に出向してからは,この小箱が開けられる回数も増えたようだ.
カリカリカリ・・・.
ふと,そんな物音に顔をあげる千沙姫.沈んだ顔に微笑みが戻る.
部屋の扉を開けると,一匹の仔猫が入ってきた.昼間,日向で頭を撫でていた黒い仔猫.
「にゃ〜.」
甘えた声で,千沙姫の足下に擦り寄ってくる.
「ふふふ.こんな夜遅くにお客さんが来るなんてね・・・.」
にっこり微笑んで,仔猫を抱きかかえた.
ふんふんと仔猫は鼻を動かし,千沙姫を確認する.首筋にくすぐったいような感覚を覚える.千沙姫が白い指先で仔猫の喉をくすぐると,仔猫はお返しにとばかり,棘でついた傷を舐め返した.
「ありがとう・・・.」
千沙姫は,仔猫を床に下ろすと冷蔵庫からミルクを取り出した.紅茶にいれようと置いておいたものだ.足下に擦り寄り催促する黒い仔猫.
「ふふふ・・・,すぐだから待っててね.」
皿にミルクを注ぎ床に置くと,仔猫はうれしそうに飲み始めた.部屋にピチャピチャと仔猫がミルクを飲む音が響く.
既視感を覚えた.
それは遠い昔の思い出.千沙姫がまだ小学校に入ったばかりの頃だ.
「ダメじゃないか!」
父が大きな声で怒鳴る.
「だって,だってぇ・・・.」
びしょ濡れの千沙姫の顔を,雨雲が覆い隠す.
「生き物を飼うっていうのは,千沙が思っているほど簡単なことじゃないんだぞ!」
幼い少女の手の中には,微かに震える仔猫がいた.
「まぁまぁ,あなた,いいじゃないですか.」
「いや,こういうことを教えるにはいい機会だ.」
グスンと鼻をすする千沙姫をバスタオルで包んだ母は,優しく微笑んだ.
「とりあえず,お風呂に入りなさい.そんな格好じゃ風邪をひくわ.」
「うん・・・.」
「さぁ,こっちにいらっしゃい.」
雨の中,段ボール箱の中に捨てられていた仔猫.はじめは,雨避けにと自分の傘を置いて帰った千沙姫だったが,途中で引き返し,連れてきたのだった.しかし,千沙姫の父は動物を飼うことを許してはいない.そのため,あちこちで飼ってくれるよう頼んで歩いたのだ.しかし結局飼い主は見つからず,連れて帰ってきてしまった.日も暮れて,ずぶ濡れだった.
「ちさ・・・,あちこちで頼んだの.」
千沙姫は優しく髪を乾かす母に,そう告げた.
「みんなに,ねこちゃんを飼ってくれるように頼んだの・・・.かわいい仔猫要りませんかって・・・.」
声がうわずる.千沙姫は一大決心をして商店街や住宅街をまわったのだ.
「そう・・・,大変だったわね・・・.」
「でも・・・,でもぉ・・・.」
「誰ももらってくれなかったのね?」
「うん・・・.」
再び目に涙をためて母を見つめる千沙姫.そんな千沙姫に母はにっこりと微笑んで言った.
「とりあえず,今晩はうちに泊めてあげましょうね?」
千沙姫の顔がぱっと明るくなる.
「ほんと?」
「ええ.母さんからも頼んであげるわ.」
「ありがとう!」
母に抱きつき,喜ぶ千沙姫.
「でもね,ずっとって訳には行かないの.」
「え・・・.」
母を見上げる千沙姫.
「だから,明日お兄ちゃんと一緒に飼い主を探しましょうね?それなら,千沙ちゃんも安心よね?」
「うん!」
「じゃあ,お兄ちゃんが帰ってきたらお願いしなくちゃね.」
母娘二人は,まるで友だち同士の秘密の約束を交したかのように微笑みあった.
「に〜.」
仔猫がそれに反応するように,小さく鳴いた.
あの夜一晩きりの小さなお客を思い出して微笑みが漏れる.
「あの時もこんな感じだったわね・・・.」
一心にミルクを飲んでいる仔猫を見つめて呟いた.その声に反応して,仔猫がこちらをうかがう.
「おいで・・・.」
千沙姫の差し出した手に駆け寄り,ペロペロと舐める.
「おいしかった?」
仔猫を抱き上げ尋ねると,にゃ〜とうれしそうに返事をした.
「私ね・・・,病気になっちゃったのよ.治るかどうか分からない病気に・・・.」
仔猫は首をかしげる.
「ふふ・・・.こんなこと言っても分からないよね.」
膝の上に仔猫を座らせる.
「あと一年しか生きられないの・・・.不思議よね,今はこんなに元気なのに・・・.」
仔猫の喉を撫でながら呟く.胸が,心が痛んだ.
「お前はいいわね・・・.」
欠伸をする仔猫を見て,思わず漏らした.
ふと,家を出てからのことを思い出す.この調査団に入ってからたくさんの人に出会った.そのすべての人たちは自分を心配してくれていたのだ.愛されているとすら思う.
「わがままだったのかなぁ・・・.」
「にゃ?.」
眠そうに鳴く仔猫に,千沙姫は苦笑する.
「そうね・・・.みんなとてもいい人ばかり・・・.私の優しさの数じゃ・・・,まだまだ足りないのかもしれないわね.」
ため息を吐きながら,窓の外をみやる.もう空は白みがかっている.
遠い日に,仔猫が生きることを願った.
それは誰のためでもない.その仔猫のためなのだ.不幸になるために生まれてきた命などないのだ.そして何より,仔猫の幸せを願う者がここにいる.何としてもそれに応えてほしいと思った.
自分が生きるのさえ精一杯だったあの頃.もう十年以上も前のことだ.年が増えてゆくことを祝い,喜んでいたあの頃.
自分はあの頃と何が変わったのだろう.
「ごめんなさいね,うちではもう犬を飼ってるのよ・・・.」
「そうですか・・・,ありがとうございました.」
「ありがとうございました.」
もう何軒目だろう.千沙姫は母と兄に付き添われ,家々を尋ね歩く.そしてその度に断られ,心が沈む.
「ほら,泣くなよ千沙・・・.」
「うん・・・.」
「二人とも疲れていない?」
「だいじょうぶ!この子のおうちを探すんだもん,だいじょうぶだもん.」
「千沙,無理するなよ?」
今にも雨が降り出しそうな千沙姫の顔をみて,必死に励ます満沙樹.そんなむつまじい兄妹をみて微笑んだ母.
「絶対だいじょうぶだからな!」
根拠もなくそう断言する遠い日の兄.それは今も変わっていない.その心配そうな顔さえも.
命というものの重さを初めて知ったのは,あの日だったのか.
「あの・・・.」
「おやおや,可愛いお嬢ちゃんだこと.どうしたんだい?」
「あの!お婆ちゃんに,お願いがあるの・・・.」
今度は自分で頼んでみると兄と母に告げて,一人で訪ねた玄関先で立ち尽くしてしまう.
「何かご用かな?」
雲行が怪しくなる.今にも大粒の涙がこぼれ落ちそうだ.そんな千沙姫を知ってか知らずか,声が聞こえた.
「に〜.」
胸元から仔猫が顔を出す.
「おや,かわいい猫ちゃんだねぇ.」
「あの!お婆ちゃん,この子をもらってください!」
やっと言えた一言.
「そうかい,お嬢ちゃんはこの子の飼い主を探しているんだね?」
「うん・・・.でもなかなか見つからないの・・・.」
「今日はずっと飼い主を探しているのかい?」
傾いた太陽をみて老婆が言う.
「うん・・・,満沙樹兄様と母様といっしょに・・・.」
「そうかい・・・.大変だったねぇ・・・.」
老婆を見上げる千沙姫.
「お嬢ちゃん,お名前を聞かせてくれるかな?」
「あ・・・,私,ちさ,ちさきっていうの.」
「じゃぁ,ちさちゃん,お婆ちゃんがこの子の飼い主になってもいいかな?」
千沙姫の顔がぱっと輝いた.
「ほんと?お婆ちゃん.」
「ああ,本当だとも.」
目を細める老婆の脇から,大きな虎猫が顔を出す.
「あなたがこの子の母様になってくれるの?」
「ふふふ,そうじゃよ.何度も子供を育てたことがあるからのぉ,安心をし.」
「ありがとう!この子はみけまるっていうの.よろしくね.」
千沙姫が差し出した仔猫を虎猫が舐めた.
「気に入ったようじゃの.」
「に〜.」
紫がかった空に千沙姫と老婆の笑い声が響いた.
生きるのは,それ自体とても難しいことだ.
「あの後,何度かあのお婆ちゃんの家にお邪魔したわね・・・.」
幼い頃の自分が真剣に仔猫の幸せを願っていたことを思い出し,くすくすと笑い出す.小学三年生になる頃に引っ越すまでは,ちょくちょく遊びに出かけていたような気がする.
「にゃ〜.」
「ごめんね,起こしちゃった?」
膝の上の仔猫を,ベッドの上に移し立ち上がる.
あの雨の日,自分が仔猫の前に戻らなかったらどうなっていたのだろう.小さな命の火は雨に消えていたのかもしれない.しかし,自分にはその小さな命を救うことができたのだ.それは大きな充足感を生み,心を暖かくしてくれた.そして命を支えるということの大変さ,尊さをも学んだ.
あなたが一番輝けるように.
仔猫の温もりに,母の言葉が思い出される.
母が残した言葉.それは支え,支えられるという命のつながりの中に生きよということなのだろう.千沙姫は母の命を支え,失った.たとえどんなに懸命に支えたとしても,命を長らえさせることはできない.支えあうということは,なにも奇跡を起こすということではないのだ.そしてそれが運命というものでもある.たとえ無情とも思える一年の猶予期間といえども.
支えられているからこそ生きねばならない.
思い出されるのは優しい母の姿.母が悲しむ姿は思い出せない.母が自らの生涯を生き抜き,まっとうした証は,このような形で千沙姫の心に刻まれているのだ.支えられる者は,どんな結果が待っていようとも,生きることで応えるしかない.そうすることでのみ,支える者に心を伝えることができるのだ.それは,言葉よりも大切なもの.そのことは千沙姫には何よりもよく分かっていた.
ただ生かされるための一年ではないのだ.
このまま行けば,千沙姫が誕生日を祝うことができるのは,あと一度だけだ.歳を重ねることを祝う.そのことにどれほどの意味があるのだろうか.時間を無為に過ごすことに意味はないのだ.人として支え,支えられて生きる.人が人として存在した証とは,どれほど他人と時間を共有したのかということなのかもしれない.
それは心を通わせること.
歳が増えていくことを祝うのではなく,心が豊かになっていくことを祝おう.
生きることで,かけがえのない,たった一人の自分になれるのだ.生きること.それが自分を輝かせるということなのだ.
心の痛みが何かに変わった気がした.
小鳥たちが朝の挨拶を交している.傍らの黒い仔猫は静かに寝息を立てているが,森はもう目覚め,朝の訪れをその全体から溢れさせている.
強い風が,森の香りを運んでくる.
その風は,森の息吹をのせて人々に春の訪れを知らせるのだ.厳しい冬が終わり,若き生命に彩られる春の訪れを.
部屋から外へ出た千沙姫も,髪を弄ばれながらそれを感じる.いい風だ.
新しい春と新しい自分.
それはけじめだったのかも知れない.はらはらと黒い髪が舞う.まるで踊るように.過去に捕らわれ悲しみに暮れていた自分を受け入れ,残りわずかな時間を精一杯生きようと決めた今日を祝うかのごとく,春の風が冬の思い出を運び去っていった.
今日の痛みは,あしたの戸惑いを消してくれる.
「にゃ〜.」
目を覚まし,千沙姫がいなくなっていることに気が付いたのだろう.仔猫は窓の外から運ばれてくる彼女の匂いに向けて鳴いた.
その声に千沙姫は振り向き,笑顔で応える.その表情には曇りはない.自分が自分らしくあるために生きようと決めたから.
それは決意ではない,自然なことなのだ.森が共棲によってその命を自ら育むように,人もまた支えあって生きていく.命は,それ一つで生きているものではないのだ.
千沙姫は,部屋に入ると机上に銀のハサミを置き,仔猫に声をかけた.
「おはよう.朝御飯にしようね.」
「にゃ〜.」
うれしそうに答える仔猫を見て千沙姫も微笑んだ.
千沙姫は,まだ不揃いな後ろ髪を気にしながらミルクを準備する.小皿にミルクを注ぎつつ,今自分を受け入れてくれているかけがえのないこの場所をうれしく思った.一番自由に笑っていられるこの場所を.
千沙姫の一年はまだ始まったばかりだ.
「息づく森」・完
【微妙な用語解説】
リジィさん
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PCの1人です.
勝手に登場させてごめんなさい(死
彼女は,感情を持ったオートマータだけど,若干古い機種みたいですね.
壊れかけなのか,動くとかたかたと音がするらしいです.
ちなみに,メイド服を着た優しいおねぇさんって感じです.
生と死に関しては千沙姫の母に近い考え方を持っているようで.
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【ちまきメモφ(..)】
というわけで千沙姫のプラリア2本目です.
書いたのは99年度の終わり,3月半ば頃からですな.
量的には,だいたい7ページくらいでしょうか.
前回に比べると短いですが,今回は引越作業とかお絵描きが重なって,結構つらいことになっていたので仕方ないところです.
ていうか,遅刻しましたヽ(.┐°)ノ
この辺り,少し詳しく書いておきましょう.
まず,プラリア本文中の時間の流れですが,STの第4回と第5回の間の話です.
第4回で千沙姫がエンゲージを発病して,それに気付いて倒れるというシーンがあるんですが,その日の深夜という設定です.
つまり,ぶっ倒れて気を失ったまま誰かに運ばれて部屋で寝かされていた,というところです.
そして,目覚めるところが冒頭ということになります.
さて,本来このプラリアは書く予定がなかったものです.
というよりも,こういう精神的変化はもっと後半に出てくるモノとして進む予定でしたが,その変遷案に没が出たので,急遽修正作業に入ったということです.
じゃぁ,どうなる予定だったのか?
実は「発病>精神崩壊>自殺未遂」というような暗黒街道まっしぐらな予定でした.
今考えると,無茶なことを考えていたなぁって感じですね(笑)
もし没らなかったらどうなっていたかと考えると,少し残念ですけどね(笑)
そんなわけで,精神崩壊を起こさせずに,復活してもらうことになりました.
この辺りは,本当なら自殺未遂を発見されてからの展開として考えていたので,話を進める上ではかなり大変でした.
というより,千沙姫というキャラクターからすると,自力解決は不可能なはずなので,その辺りの流れは,はっきりいってネタがありませんでした.
そのため,今回は第4回の本文中で登場した仔猫と,思い出の中に出てくる仔猫を機軸にして話を展開しています.
それでもかなり無理な展開になっていますね(汗)
まぁ,動物の癒やし効果を使ったってところでしょうか(笑)
うそくさいなぁ.
それから,忘れられたキャラ満沙樹くんにも登場してもらっています(笑)
しかも「他の調査団に出向」しているなんてもっともらしい理由も付けておきました(笑)
さようなら,満沙樹おにぃちゃん(笑)
まぁ,彼はちまきの中ではキャラクターが立っていないので,消えてくれて正解なんですが(笑)
でもまぁ,徐々に薄れているとはいえ,やはりブラコン気味の千沙姫を出さねばとか思っている次第です(笑)
このプラリアの中で,ひとつやりたいことがあったのでやってみました.
それは,千沙姫の髪を切ること(笑)
ていうか,長い髪のキャラは描くのがつらいとか,そういう理由もはらみつつの断髪です(笑)
絵的にも活動的なイメージになりそうで,いい感じだと思ったりもします.
髪を切っているのは,部屋の外に出てから.
「はらはらと黒い髪が舞う.」という行で切っているはずです(笑)
まぁ,あんなに長い髪(腰辺りまで)をばっさり切ったんだから,よほど精神的な変化があったんだろうなぁということで.
ちなみに,長さ的には,肩に付くか付かないか程度です.
おかっぱっぽいですね.
でも,裏をばらすと,この髪を切るという行為自体は自殺未遂コースでもやる予定でした(笑)
まぁ,衝動的に大切な髪を切ってしまうって事で,精神の不安定ぶりを出したかったんですが,全く逆の方向で髪を切ってしまいました(笑)
まぁこれはこれでいいんですが,なんか惜しいなぁって感じですね(笑)
そして遅刻(泣)
これはかなり痛かったです.
今更どうしようもないんですが,頑張っただけに残念ですね.
結局悪いのは自分だから,何ともいえませんが.
まぁ,6回目には復活してくれることを祈って(笑)
絵も描きたいしね.
短い髪のを.
さて,今回ネタの出所になった歌は,結構ありますねぇ.
全部奥井亜紀の曲なんですが.
「月の繭」「もう何もいらない」「You are the only melody」「あいはかける」「Love & Love」「Take Free」かな.
他にもあるかも.
細かい解説は面倒くさい(というか多すぎる)ので,しません(死
聴けば分かることばっかりなので,聴いてみましょう.
いい曲ばっかりだよ.
なんて宣伝したり(笑)
感想.
無理です.
そんな感じ.
以上
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